Vol.2 『ネコガラ・ティンクルテ』
1998年8月7日(金)〜9(日)千本桜ホール
作・演出:黒沼佰見
音楽・音響:鈴木隆一
照明:入江友子
絵画:三栖弘年
舞台監督:鈴木雄太
制作:倉光仁美
出演:
山口真/吉田文彦/坂中幸一郎/黒沼佰見/遠藤綾子/西邑武人
ある地方の小さな町に住む一人の青年・土浦(山口)。両親とは離れたプレハブに自分の部屋を持っている。そこへ訪れる高校のときの担任・骨灰(吉田)や友人のケガ郎(坂中)。さらに自分の休憩所だと勘違いした工事現場の男・貢司(黒沼)。さらに、町のボランティア団体、団長・善造(西邑)。そして団員で教師の妹・つくね(遠藤)まで動き出した。教師と青年の溝は深まるばかり。教師は彼を救おうとすることが、唯一の自分の救いだった。しかし、青年が立ち直った今、教師は狂うことしか出来なかったのだった…。
自閉症の青年や教師の姿を描いた問題作。
教師を演じた吉田文彦(左)・閉じこもりがちな青年、山口真(右)
言い争う工事現場の男・黒沼佰見(左)とボランティアの女・遠藤綾子(右)
奥にはボランティアの団長・西邑武人
メンバーは前回公演とほぼ一緒。役者が決まっていたので、当て書きが出来たのが嬉しかった。しかし、一人横山という男が急に消えたため、私が代わりに出演することになってしまった。まあ、本当はちょっと出たかったんだけどね。でも、作家としては客席から観てみたいじゃない。制作スタッフも強化し、たくさんの人に支えられて舞台は創られていった。この作品は、タイトルがタイトルだけに、某雑誌などでは『ネコガラ・テインクルゲ』と書かれる始末。「ティン」が「テイン」になるくらいならまだしも、「クルゲ」はないんじゃないか。「ゲ」で終わると何だかなあ。この作品では、いつも宣伝美術を担当してくれているミス氏に一枚の絵画を描いてもらい、舞台上のコラボレーションを狙った。あと、いくつかのドキュメンタリー番組とか、つげ義春とか安野モヨコとかの漫画をモチーフに戯曲を書いた。