劇団鬼に金棒!Vol.4 『山の生活、川の生活。』
1999年6月25日(金)〜27(日)
プロトシアター
作・演出・美術:黒沼佰見
音響:入江友子
照明:松本隆
舞台監督:河村健児
出演:平野敦資/鈴木健司/荒川健太郎/澤村めぐみ/山口真/倉光仁美
ベテランキャンパー・イマイチ(平野)は、釣り好きのカワサキ(鈴木)やキャンプをやることに非協力的なナガミゾ(荒川)、ボーイスカウトに入っている子供・ハジメ(澤村)とそこでキャンプを楽しもうとしていた。そこには「イ、ヒグチ」と名乗る男(山口)もいつのまにか参加し、見知らぬ少年・タカダ(倉光)とも出会う。カワサキは何者かに殺されたのだが、死体は見つからない。彼らは「石」を埋めることで、その代わりとした。その後、彼らは自分達が遭難していることに初めて気付き、「イ、イガラシ」と名を改めた「イ、ヒグチ」に連れられ、シャダニカ・ホルカと呼ばれる丘へ向かうのだった。しかし、そのリュックの中には、なぜかまた石が入れられており、彼らはまた途方に暮れる。そして、また無益な石を埋めるという作業へと向かうのだった・・・。
グレープとグレープフルーツの違いについて
山口真(左)、荒川健太郎(右)
手前から、鮎を手にした熊(左)、澤村めぐみ(右)
驚く男たち・荒川健太郎(左)、山口真(中央)、平野敦資(右)
「犬」の字に倒れた男・鈴木健司、
見ている子供たち・倉光仁美(左)、澤村めぐみ(右)
ここのところ、リアルな方面に向かいすぎていたので、方針を「不条理劇」ということで固め、かつ「喜劇」にしようということで書かれた作品。二幕構成になっており、第一幕は『マルクス兄弟』のようなものを。第二幕はアルフレッド・ヒッチコック監督の『ハリーの災難』を下敷きに書いていったのだった。演出は構造で見せる部分をミニマリズムに徹し、余計なものを排除するということに徹した。「笑い」についても80年代的な「勢い」に頼らないものを、ということでかなり役者には厳しいことを要求したかもしれない。「記号論」は昔から興味があったけれど、今やるには古かったのかもしれない。あとは『風の又三郎』をモチーフに根底が流れていたことも重要だった。1時間45分という長さにはちょっと後悔した。