-003-Guide

雲は、冷たい空気と温かい空気が触れあう場所で湧き起こる。現在において過去とは、
過去の時点では偽りであっても、現在を形作る要素となりうるなら、それもまた真。
ひとと場所の記憶。記憶はいつも欠落している。

作 黒沼 佰見
演出 倉光 仁美

○出演○
岩井 さやか
杉田 健治
篠原 志奈(形態ゼロ
三波 誠
黒沼 佰見
藤田 早織
神野 剛志(神様プロデュース
辻 朋浩(ダブルスチール

○スタッフ○
照明 木藤 歩(Balance,Inc.)
音楽・音響 渡辺 禎史
舞台美術 袴田 長武(ハカマ団)
舞台監督 杣谷 昌洋

○場所○
中野・劇場MOMO

○日時○
2006年1月6日〜9日
タイムテーブル

○料金○
前売 2,500円
当日 2,800円

○問い合わせ○
見学者事務所  info@kengakusha.com


  

あらすじ

 
■そこはまだ改築途中の家。
■かつてはあばら屋同然だったその家が改築されていた。4人の若者たちがそこに集まってきたが、ある者は不穏なことを口にし、ある者は猫の話をし、 また、ある者は遠い過去の話を始める。 彼/彼女の話す過去は、現在であるかもしれないし、 あるいは他の誰かの記憶かもしれない。
■昼間はその家の改築を依頼した夫婦が家の様子を見に来る。工事を請け負っている建築業者の男達は町の風力発電所を建てた業者として有名だが、なぜか今回の工事は一向に進まない。
■若者たちはある計画のためにそこに立てこもることになるが、それすら遠い過去の話になった今、残されたのは男女二人だけ。そこに現われたのは工事を依頼 した夫婦。彼らは家族とも言えないような距離感で話をし、休日の一時を共有する。次第に記憶を失っていく二人の男女。過去にあった事件のことを振り返る も、思い起こすのはぼんやりとした面影ばかり。
■居なくなった猫たち、転倒したバス、あの立てこもり事件、森の先のコンビニ、鼻をつく臭い。換気扇に吸い込まれるように次々と記憶を失っていく。
■主体/客体、現在/過去は曖昧になり、 その家にたたずむ存在はなおも語りつづける。

ごあいさつ

□今回の舞台のテーマは「記憶」です。
記憶は、過去そのものの事実ではなく、記憶した人によって脚色されたり、書き換えられたりもするかもしれません。たとえ過去の事実とは異なった記憶で も、その記憶された過去が、現在の自分に対してはたらきかけ、また現在の自己も、意図せずしてゆがめられた過去を追憶しているのではないでしょうか。人と は、非常に曖昧で不確実な記憶に頼って生きているのではないか、という問いから出発した作品です。
初演は2000年5月。その作品を大幅に改編し、再出発の契機となる舞台になりました。

また今回「変容」をサブテーマとし、それを視覚化する見学者としての新たな試みにも挑戦します。このあたりにも是非ご注目下さい。


□チケットご購入の皆様へ

当日、開演の1時間前より受付・整理券の配布を開始いたします。開演の30分前より、整理券の番号順にご入場いただきますので、お早めにご来場下さいますようお願い申し上げます。
それでは、劇場にてお待ち申し上げております。

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