吉行淳之介『出口』『花束』『紫陽花』を読了。ゆっくりと読む。時には声に出して読む。ただ読むのもいいが、いつもただ読むばかりでは読書の面白さは片面だけしか味わえないだろう。
そうか、…と書いてしばらく経った。何を思い出したというのだろう。きっとたいしたことではないに違いない。思い出したと言えば、文学界三月号が届いていたこと。
で、そのなかの大道珠貴女史の芥川賞受賞ロングインタビューを読む。ドライな視点や、大人への視点など共感する部分多し。
小説ついでに自分のことを書けば、『動けない朝』は書き上げて三日ほったらかしにしてあるが、過去のメモ。思いついたときの創作ノートを見てみると、もっと微細なことが書かれており、手直しが必要だと思った。というか、その前にタイトルを変える。あまりに直接的なそれは、どうも駄目な感じがする。
わたしはやはりある程度設定を決め、とても簡単な箱書きをし、書きながら考え、そのなかで生き、何度も表現を推敲するという形が今考えられる方法だろうと改めて思った。
とはいえ、何しろ一作目。どうなるかなどわからない。
それとは別に高校時代のことが書きたくなった。いつかは書かなければならないのは間違いないが、それがいつかはまだわからない。とにかくこれだけは書いておかなければならないということの一つに違いなく、それはきっと中篇以上のものでなければ、書けない量になる。
ただ、過去のことを書くというのは、すでに生きた経験があるという点で、書きやすいに違いないが、振り返りたくない部分だからこそ、振り返る必要があると感じる。本当に客観的に書けるまではあと十年かかるかもしれない。
それにしても、今週もまた仕事が忙しく、先週とはまた違った物理的な忙しさ。残業の日々。
それでも、精神的に追い込まれるより、物理的に追い込まれた方が、かえって集中できる。
猫が熱い風呂の中に落ち、慌てている。妻が「どうしたの?」と言いたいところを「どうしたら?」と言う。猫が高いところから灰皿に上に落ちてきて、ひっくり返しPowerbookが灰まみれになる。掃除機で吸う。
きっと書かなければならないことは山ほどある。
23:53 02/2/19 中国時間