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台本 Archive

映画『告白』を観る/参議院選挙2010

●午前中の用事があって、その後、投票。すべての仕事が一段落。
●それで、イオンシネマの無料券をもらっていたので、映画を観に行くことにした。好評で期間延長中の『告白』を観る。
 中島哲也監督の特徴でもあるミュージッククリップ的な映像処理と事象との距離感の取り方が、冷ややかさを感じさせ、それもまた狂った世界の恐怖感を煽ってくる。ひとつひとつ事象そのもののリアリティ云々はさておき、それぞれの事象の連鎖が織りなす狂いに向かってずれていく世界がすぐ隣に存在するかのような恐ろしさとなって、スクリーンから押し寄せてくる。
●小説としてもそうだけれど、ひとつのモノローグドラマの構成として考えても、面白いと思った。

電子書籍への思い

●iPadの電子書籍も少しずつ出てきているようだが、講談社の京極夏彦・著『死ねばいいのに』の対応は、iPhone版でもその後出され、その志をまずは評価したいものの、そうか、結局appベースになってしまうのか…というのが正直な感想だ。
●雑誌でも、産経新聞appを作り出したYAPPAによるMAGASTORA。今日配信を開始したビューンはサーバーの処理速度が追いつかず。たしかにAppleのiBooksが音楽におけるiTunesでの独占状態を考えたら、ハードとしては許しても、コンテンツはあくまでもその土俵にのらないよう、仕組みを考えるのは必然といってもおかしくはない。ただ、結果、ユーザにとってはどうなんだろうなあ。iPadのなかに本棚はできれば一つのほうがいいのではないか。
●一方で、iBooksでは個人でもISBNとMac(エンコードが必要)、米国の納税者番号、があれば、出版が可能とのこと。しかし、アメリカの納税者番号はまず無理。となると、どうしたらいいか。
 この「EPUB形式で作成した電子書籍を、iPhoneやPCのStanzaで読んでもらう方法」は興味深い。
 と、読んでいて、戯曲も新しい形で出せるんじゃないか。そう思い始めたら俄然面白くなってきてしまうのがわたしの悪いところでもあるわけだが、やってみたくて仕方がない。
 で、やってみた。Wordを直接変換してくれるフリーのアプリケーションがあった。それで変換。iPhoneで『雲の溜まる休日2006』を読めるようにしてみた。しかし、読みづらいな。書体も選べないし、戯曲特有のト書き部分の文字組や台詞の部分の文字組も気になる。もっといろいろできるとかなり面白いのではないかと思うのだけれど。

ピンター後期戯曲群

●お腹が常に張っている状態で気持ち悪い。背中もガチガチになっている。
●『ハロルド・ピンターⅠ』『ハロルド・ピンターⅡ』『ハロルド・ピンターⅢ』がAmazonから届く。後期の戯曲がしっかり詰まった戯曲集。しかも文庫で読めるのは非常に嬉しい。

●個人的な注目は、Ⅱに収録されている『月の光』、Ⅲに収録されている『灰から灰へ』『声(放送劇)』など、『沈黙』や『風景』などにも通ずる静かで激しい詩的言語の多い戯曲だ。
 その他、後期の政治劇にはあまり明るくない。その辺もまた興味深い。
●その他いくつか会社に関わる本も合わせて購入。頭を切り換えながら少しずつ読もう。

晴天/身体のある台詞

●大連にしては珍しい快晴。掃除のおばさんたちも、朝から幾分気持ちよく仕事をしているように見える。しかし、なかなか思いっきり真っ青な空とか、満天の星とかそういった環境に触れなくなって久しい気がする。
 沖縄とかどこか南の島に行ってみたいなあ。とはいえ、南の島はわたしには縁遠い存在だ。勝手にそう思っているだけだけど。わたしはどちらかというと北の大地でうつむきながら歩いていたほうがしっくり来る。とはいえ、ときにはいいじゃないか、南も。

●で、今日の昼飯。まあ、普通に戻って良かった。一応シリーズ化しているので、こちらも。
 昼間も天気がいいので外に出るのも苦ではない。
●気付けばもう週末。金曜日だった。天気がいいので今日もバスを途中で降りる。
●新たにDVDを購入。『ありふれた奇跡』(山田太一脚本/フジテレビ)。台詞の感じが非常に心地よい。まだ第一話と第二話しか観ていないが、いい具合で無駄のある饒舌さだ。身体を感じさせる台詞というか、そういうものが意識的に入れられている。
 寝室で一人でいた父・岸辺一徳の台詞が特徴的だ。

  娘、寝室のドアをノックする

父:え? 何…?

  娘、ドアを開けて中に這入る。

父:(何かをベッドに隠して)おお。なんだ?
娘:いい?
父:いいって?
娘:今?
父:いいさ、なんだよ、聞くなよ、そんなこと。
娘:早いんじゃない?
父:そうだな、今日はな、ちょっとな。
娘:夕飯は?
父:ああ、食った。食べた。もちろん済んだ。もう八時過ぎだ。(ベッドに腰かける)
娘:外で?
父:外さ。駅ビル。天丼。
娘:へえ…。

●と、こんな感じ。この感じのドラマは貴重だ。何でもないが、丁寧な台詞運び。
●天気も良く、体調もいい。うん、いい感じだ。

劇作とは何かをもう一度

●会社に置いてある新聞のコラムに「劇作家」という言葉を見つけ、敏感に反応したものの、そこには劇作家バーナード=ショーのノーベル賞受賞時の話が書かれていた。正直、バーナード=ショーについてはあまり詳しくかったので、Wikipediaなどで調べた。劇作について、それなりに演劇史なども学んできたが、まだまだ知らない世界がある。このことをキッカケに、もっと劇作の世界についても勉強しなければならないことが山ほどあるということを思い知ったというか、何を慢心しているのだろうと自戒したのだった。
●劇作の基本をもう一度学んでみようという気になった。ひょんなことから。

モノローグ

●小説とも戯曲ともよべないような中間のものを何か書けないか。ふと思い立った。そろそろ創作の方は満充電になったと思われる。そろそろ放電したいのだけれど、しかし、何に向かって放電したらいいのかわからない。自分で過去に決めた枠組みが邪魔になっているから、そうしたものはすべてとっぱらって何もかもなくしてみる。そんなことを考えてみた。
●あと、普段あまり日本でも読まれない戯曲を読みたくなった。どうしたらそういうものに触れられるのか。やはりネットである程度調べ、その後、図書館が一番いいのかもしれない。国会図書館にも行ってみたい。
●キーワードは「モノローグ」だ。一人芝居でモノローグというのは当たり前のことだけれど、それ以外の方法にも何か使えないか。
●ホテルでは中国映画『非常完美』(日本語意訳『超完璧』)を観る。中国映画もだいぶ資本の力に押されてきたホリチョイ的な感じになってきた。綺麗なマンションに住む金持ちの医者、カメラマン、漫画家などが愉快な恋愛をする。うーん。
 話の内容はどうでもいいんだけど、ときどき表現としては普通に吐瀉物が出てきたり、グロテスクなものがふいに挟まれる。このギャップはやや新鮮。あとは単純にカメラの動きを見る。
●それはさておき、モノローグだ。単なる一人の言葉ではなく、重層的なモノローグ。そしてときどき挟まれる外との会話。まったく異なる物語の世界を作り始めるところからはじめようと思う。

長期的対策

●台風20号が最も接近していることなど知らずに、予約していたタイ式マッサージの店に妻と行く。天気さえ良かれば歩いていこうと思っていたが、今思えば、当然の雨。
 今までのクイックマッサージとは違って、足を温めるところから始まり2時間。にもかかわらず価格もそれほど高くない。やはり中国のそれと違って、技術的なレベルも高く安定していると思う。3分の1はストレッチという印象だが、それもかなり入念なので助かる。何しろ長期的な肩こり治療には自分で身体を動かすこと、身体の柔軟性を高めることが何よりなわけだし。
●で、その足で近所の本屋へ。今までも気になっていたが、入る機会のなかった戸田書店。人文系の書籍が充実しているし、『せりふの時代』も申し訳程度にだが、置いてある。
●『せりふの時代』で思い出したが、劇作家協会から会報「とがき」が届いていたのだった。
 太田省吾氏への追悼文が掲載されており、また感慨にふける。わたしもあの人に少しでも近づきたい。あの人のように生きたいと思わせてくれる大人だった。
●少しずつでも戯曲は進めていこう。そこから映像の素材となるテキストが出てきたっていいはずだ。

おすい

●引き続き事故処理の問題で恐縮だが、まずは自分の主張を保険会社にとりあえず伝える。向こうは二車線あることも知らずに、また一度目危険はわたしが避けたことで回避できたにもかかわらず、無理な幅寄せでぶつけられたということも聞いていないという。まあ、そりゃあ自分では言わないだろうなあとは思うけども。
 で、今日から代車。慣れない車なのでまた注意しないと。
 しかし、最近は悪いものが入ってきている感じがする。わたしの周りでも良くないことが続いている。
●夜中23時に住宅セールスのちゃらい電話がかかってくる。最近留守電が何度も入っていると思ったらそれだったらしい。「何度も電話したんですよ」と、まるでいないことが悪いかのように馬鹿が話す。「おすいの件で」「え?」というと、「おすいの件で」と繰り返す。「おすいって何ですか?」と聞くと、「お・す・ま・い、です」とのこと。まずは滑舌をなおすところからやり直すがいい。

ピンターの言葉から

●ハロルド=ピンターのノーベル賞受賞のスピーチを読んで、改めて政治の、あるいはアメリカ的姿勢(それを許容する日本の姿勢も含めた)が100年後、200年後、未来の人たちにどのように評価されているのか、考えさせられた。
 芝居をつくることも、映像作品をつくることも、あるいは文章を書くことも、きっとどうしようもなく進んでしまうこの政治や経済からなる「嘘のタペストリー」の中で、どうにかして抗おうとする行為なのだと再確認する。
 「真実などどこにもなく、ただ真実とされることがあるだけだ」と以前、わたしはどこかに書いたが、そこで単なるニヒリズムに陥らないためには、だからこそその真実とされることの根拠を疑うことも忘れるわけにはいかず、ただ愚鈍に「ないはずの真実」を求めようとするしかない。
●企業のコンプライアンスの問題が注目されていることや「中国食品株式会社」という名前だけで倒産してしまう日本の会社のこと、あるいは、安部政権が選ばれてしまったこと。
 海外で続く戦争のこと。そのはじまりのこと。いつのまにかそうなってしまっているということ。こうしたことをより具体的に考えて、作品化していくことになるのかもしれない。

どうやってそれを捉えるか

●4歳になったばかりの甥っ子からの携帯メールが凄い。
 最近の携帯電話の変換予測機能が文章を作成する能力を低下させていると何かのテレビ番組で言っていたが、それとは別に新たな可能性さえ持っているのではないか。もちろん、本人は意味など分かっていないのだが、妙に語感が心地よかったりする。
 これはまさしくエクリチュール・オート以外の何ものでもない。
●ハロルド=ピンターの『何も起こりはしなかった−劇の言葉、政治の言葉』が非常に面白い。
 最初の「ノーベル文学賞受賞記念講演」のなかで、「自分の戯曲がどんなふうにして生まれるのか?」という質問に対して、「ある文、ある単語、あるイメージから生まれている」と答えている。
 さらに、『昔の日々』などの戯曲が生まれる瞬間を細かく説明してくれているが、まさしくそのようにしてしかその世界を捉えることはできないのではないか。映画にとっても、それは同じように松本俊夫『映像の発見−アヴァンギャルドとドキュメンタリー』にも、実はそれに通ずる「事実(アクション)の映画」ではなく「存在の映画」に対するアプローチが書かれている。これがまた非常に面白い。
 この二冊の間をしばらくは行ったり来たりすることになりそうだ。

土地と創造

●今日は一日、東京。いつもより早く家を出て、茗荷谷へ向かう。
 数ヶ月前まで住んでいた場所だが、歩いていて思ったのは、あの場所で作られた『雲の溜まる休日2006』及び『次の出発』は、茗荷谷という土地がなければあの形にはならなかったかもしれないということだ。
 年齢や経験による作品の変化は当然のこととしても、そこに土地の力があるかどうか、つまり、あまり演劇とは縁遠い土地であったことが却ってよかったのではないか、と思えてきた。
 歩いていたら、なぜかそう感じたのだった。
●つまり、埼玉の北の外れの熊谷で作られるものは、またこの土地が大きく影響するはずだ。
●そんな熊谷も「うちわ祭り」。東京から戻ると、すでに始まっていた。山車が通るので、交通規制。”,”土地と創造”,0,,publish,open,closed,,%e5%9c%9f%e5%9c%b0%e3%81%a8%

新たな方法へ

●そろそろ疲れが出てきた。
●ひとり劇作ワークショップもなかなかできぬまま、DVDの制作も進まぬまま、平日がどんどん過ぎていく。今週末がとりあえず狙い目だ。
●しかし、劇作ワークショップもまだ諦めてはいない。何しろ訓練が必要だ。日々の訓練。そんなわけで、短編の古典小説を読んでいる。ちょっと戯曲化するイメージのできないものを、どんな荒技であろうとも戯曲に変える方法を考えていた。

ひとり劇作ワークショップ

●というものを思いついた。車に乗っていたら。
 思いついた途端、やることが増えたにもかかわらず、ゆとりのなかった心にもゆとりが出てくるから不思議だ。
●とにかく、見学者のワークショップもそうだったが、基本的には訓練だ。発想もそうだけれど、戯曲の構造化や脱構築もまた訓練によって、培われる以外にはない。
●そんなわけで、劇作ワークショップだ。夜、一人で黙々と行うことにする。週に最低2回。短編の小説などを戯曲化したり、既存の戯曲をバラバラに解体して組み替えたり、小説でないものを戯曲化したりもできるだろう。
 ただ、モチベーションを保つためには公開することも検討したいが、どうしたって著作権の問題がそこには出てくるはずで、だから、青空文庫などに掲載されている著作権の切れたものや、あるイメージ(絵や音)を言葉に変えることであれば大丈夫だろうか。
●あるいは、映像ワークショップもいい。とにかく今は訓練あるのみだ。

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