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地下室の手記3

●風呂に浸かりながら、久しぶりに台詞を覚えてみる。昨日、この流れも響きも気持ちのいいと思った『地下室の手記』のこの文章。

 まさにこの冷ややかなおぞましい絶望と希望の相半ばした状態や、心痛のあまりやけを起こして我が身を地下室に四〇年間も生きながら埋葬してしまうことや、こうして懸命に創り上げた、それでいてどこか疑わしい己の絶体絶命状態や、内面に流れ込んだまま満たされぬ願望のあらゆる毒素。激しく動揺したかと思うと永遠に揺るぎない決心をし、その一分後には再び後悔の念に苛まれるという、こうした熱病状態の中にこそ、さっき俺が言ったあの奇妙な快楽の核心があるのだ。この快楽は実に繊細なもので、ときには意識をすり抜けてしまうぐらいだから、多少足りない連中や、さもなければ神経の図太い連中にさえも、この快楽の特性は何一つわかりはしない。(光文社/古典新訳文庫・ドストエフスキー『地下室の手記』安岡治子訳 P26)

●昨日の引用に比べたら非常に短いが、これだけ覚えるのも結構しんどい。だけど、言葉に対して脳が活性化していく感覚がよみがえってくるのは非常に心地よい。とはいっても、覚えて一時間後にはだいぶ忘れてしまっている。まあ、いつものことだ。忘れては覚えての繰り返し。身体に落ちるまで繰り返すのみ。
 何しろ二年半あるが、二年半しかないのである。


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