●去年ブームになったあの「白熱教室」の再放送録画を昨日からまとめて見ている。本放送時もわずかには見たが、最初から見られなかったので年始の再放送を待っていた。
ほぼ現代倫理学の話だった。主にベンサムやJ・S・ミルの功利主義の話(結果優先)は話としては非常にわかりやすいが、リバタリアニズムの話によって否定され、さらにジョン・ロックの自然法によって自由主義も批判されてきた。ここまではなんとかわかる。だが、第六回「動機と結果 どちらが大切?」のカントの話になると急にややこしくなる。
自律と他律、自由と道徳性の概念の繋がり、義務の動機。
そもそもこの番組はソクラテス的対話によって、やや即興的に学生とマイケル・サンデル氏が(方向性はもちろん既に決められているとは言え)共に問いを立て、共に問いを考えることに意味がある。
●この際、中身は何でもいい。たとえば、倫理学的に言えば、極めて日本では現在的でわかりやすいと思われる「他者危害の原則」などについては語られていないし、環境倫理の問題にも触れられていない。「文学」についてでも、あるいは「構造主義」についてでもいいはずだ。
●いずれにしても刺激的だ。こんな哲学・倫理学のメジャーブームは95年の『ソフィーの世界』以来ではないか。
●そんなわけで、今まで読んでいなかった、忘れていた本を引っ張り出して読み返す。
●買い物にも出掛ける。またしばらく家を空けてしまうから。今回ばかりはやや不安もあるが、まあ、何とかなるだろう。何とかならないことはない。