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ためらいの倫理学

●Amazonで注文した『ためらいの倫理学—戦争・性・物語“>』が到着。
 気付けば、ここ最近は内田樹(たつる)氏の本が増えている。
 誰か気になる作家や思想家がいて、それを追いかけて本を買うということは今まで多かったが、いつのまにかこの人の本が増えていたという現象は初めてのことだ。
●短い文章が続くので、気になったタイトルから読む。
 「分かりにくく書くこと」の愉悦について
●なんて興味深いタイトルだろう。
 言わばポストモダニズム的論文を合理的・実存的視点から指摘した問題点を参照しながら、実際のところ、「自分が何を言っているのかわかっていないときに、変に面白いことを言い出す人がいる」とか、「不明瞭なものがすべて深遠であるわけではないが、不明瞭である上に深遠でもある思想というのは確かに存在する」とかいうことが書かれており、人間のデタラメさをどれだけ受容できるかというのは、人間のスケールの問題だということにも共感できる。
●ストレスの溜まる仕事の毎日だが、こうしたものに触れ、また舞台のことを考え、あるいはここに関わってくれた役者達・スタッフの人びとのことを思い出すと、まだやり残したこと、やらなければならないことが山ほどあるから、生きていかなければと思うのだ。

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